今となっては懐かしいですが、ガイは5歳位まではとても内気な男の子でした。どこに連れて行っても、私の膝の後ろに隠れて離れない。

 

習い事をさせようにも、水泳でも体操のクラスでも皆の中に入っていけず、私の足にしがみついて離れない。

 

そんな3歳(もうすぐ4歳)のガイを、モンテッソーリ園に連れて行くのは大変でした。見学もして、体験でお仕事もさせてもらって、さていよいよ今日から入園、という日に泣いて泣いて行きたくないと言う。

 

とても良いモンテッソーリ園ということは私にはわかっていたし、クラスに入れば必ず楽しく過ごせると確信があったので、仕方なく私、ガイにウソをつきました。

 

「ちょっとだけ、行ってみるだけだから。」と。

 

ようやく着いてきたガイを先生に渡して、帰ろうとするとまた大泣き。

そして入園してから半年間、毎朝のように園中に響き渡る声で泣かれたのでした。

 

それから何年も経ち、ガイが小学生高学年になってから、半年間、朝、大声で泣き続けたことを話した時に、「ちょっとだけ行ってみるだけってお母さんが言ったのに、僕だけスクールに残してお母さんは帰ってしまったから、泣いたんだよ」と言われてしまいました。3歳の時のことをはっきり覚えていてビックリしました。

 

しかも、「ママがウソをついた」ということは、私にとっては忘れて欲しいこと。だって、親がウソをついたんだから、僕だってウソをついてもいいと思われちゃ、困りますもん…(自分勝手ですね)。

 

 

あれから11年。中学生クラスの卒業式の日。ガイのスピーチでこの私のウソをしっかりと全校生徒の前でバラされてしまいました(苦笑)

 

「僕は3歳の時から11年間、このモンテッソーリスクールに通いました。初めての登園日は、母が「ちょっとだけ、行ってみるだけだから」と言うから来たのに、母が僕を先生に渡して、母だけすぐに帰ってしまったので、ウソだったのかと思って大泣きしました。」

 

と。ドッと笑いが起こりました。

 

スピーチでは、その後は色々なお仕事が楽しかったこと、自主的に学べたこと、自分の興味のあることを深く掘り下げて学ぶ習慣がついたこと等を話し

 

そして、「ちょっとだけ行ってみるだけだから」と言われて付いてきて、その時は泣いたけれど、今となってはこのモンテッソーリスクールに通わせてくれた両親にとても感謝しています。」

 

という、また笑いをとっての締めくくりでした。

 

皆の前でバラされて、とても恥ずかしい(苦笑)。きっと一生、言われ続けるんだろうなあ、私。

 

経験の浅い若いママだった私が、その場しのぎで言ったウソが3歳の息子にとっては、10年以上も忘れられないほどのショックだったとは。今の私だったら、あの時、どうしていたかな。きっと、もっとうまく対処できていたと思う。ガイの気持ちを考え、何日も前から園生活が始まることを伝えて、一緒に予行演習していたと思う。

 

それに、次男がまだ赤ちゃんだった頃だから、ガイも寂しい思いをしていたはず。私ともっと過ごしたいと思っているのに、ママにウソをつかれて園に置いてけぼりにされたと感じた気持ちはよく理解できます。未熟なママだったから、あんなウソをついてごめんね。

 

小さいお子さんを持つお母さん、私のこの一生の後悔を参考にして頂けたら嬉しいです。

 

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